2018年 01月 22日
北朝鮮
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米朝問題について最近出た二冊の本を続けて読んだ。
いろいろな意味で対照的な二冊だった。
米朝開戦については高橋氏は「カウントダウンが始まっている」というスタンス、日高氏はあり得ないというスタンス(米朝密約という言葉を使用している)。
論説の進め方も、高橋氏は(敢えて言えば)「理論的」な話の進め方、日高氏はジャーナリストらしく人脈や経験に基づく論説。
個人的に新鮮な見方だなと思ったのは、日高氏による、今回の北朝鮮によるミサイル・核開発はこれまで属国として扱われていた北朝鮮の中国に対する民族運動であるという見方。面白い見方だと思った。
内容については、高橋氏は北朝鮮だけでなく、中国・ロシアまで含む地政学的な論を進め結構幅広い論説を展開しているのだが、一番関心の高い米朝開戦はあるかという点については「カウントダウンは既に始まっている」という以上には詰めた議論がないように思えた。(仕方のないことかもしれないけれど。)
日高氏については情報ソースを明かさない様々な情報が語られ、そうした情報に基づいて論を進めていくので、本当か?という疑念はあるけれど、それを疑うなら日高氏の本は読まないほうが良い。読むなら、一旦著者の言うことは本当だという前提をおいて読まなくてはいけない。
互いにスタンスやものの見方の異なる二冊を続けて読んだが、現実的には日高氏の方が現実に即しているように思った。
by mtbiker
| 2018-01-22 17:16
| 経済・財政
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