内外地図
|
あの坂道を御茶ノ水から下って歩いていく時に、いつもの場所にあのいつものお店が通りから見えなくなっているのかと思うとなぜか寂しい気がする。
そう言えば、あの職人気質のお兄さんは5階に売り場が移動になってからも元気に働いているのだろうか。
どんな地形図でも名前を言えばすぐに奥の棚から出してきてくれる。
地図を買うと、その場でピシッと紙にくるんで渡してくれる。その「技」はもう職人芸としか言いようがないと思う。
考えてみると、地図を紙にくるむという行為自体は極めて単純労働だ。
だけど、あのお兄さんの手にかかると美しい職人芸、知的労働とさえ思えてくるから不思議だ。
だけど、地図好きの人間にしかこの気持ちは分からないだろうなあ。