山野井泰史氏
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「普段は冴えない僕だけれど、山では素晴らしい力を発揮できる。僕が山へ行くのは、そうした自分の力を確認するために行くのかもしれない。」
上の言葉通りの文章ではなかったと思うが、大略こういった意味のことをあの世界的クライマーである山野井泰史氏が書いている。
これを読んで「正直な人だなあ」という感想を持った。素直な人だなあとも思った。全然偉ぶったところが無い。山に行かない普段の生活では冴えない人間だと言うことを自分でも認めてしまっている。
僕も彼と同じ思いを抱いている。勿論彼のような世界的クライマーでないのは当然のこととして、山でも大した力を発揮できる訳ではない。でも、普段の冴えない自分から離れて、自分の足で頂上を踏み、自分のハンドルさばきで下りの山道を下る時、限りない充実感を感じることが出来る。
山野井泰史氏と自分との一番大きな違いは、実力に裏打ちされた自信のある山野井泰史氏は公然と「普段は冴えない」と言うことが出来、実力も自身も無い自分はとてもそんな本当のことは人に言えないということだ。